深田晃司 監督作品

『椅子』

 

監督

 

the director

<監督>

深田晃司(ふかだこうじ)

1980年、東京生まれ。越坂康史監督『ひとりだち』(主演三輪ひとみ)で助監督。青山真治監督『AA』に制作スタッフとして参加。東野敦監督『スターとレッくん』では撮影を担当し、独自の世界観の構築に貢献する。22歳の時、本作『椅子』で初監督。製作・脚本・撮影・美術・編集・音楽も自身で担当し、マルチな才能を発揮。卓抜した脚本・構成力をベースに、トータルな映像表現を提案できる新人監督として注目されている。

現在、新作『Home Sweet Home』撮影中。また準備中の新作短篇『奇想曲のアリス』が2004年12月19日、彩の国さいたま芸術劇場で行なわれる音楽イベント「Mist in Alice」にて上映される。

 


出演

 

<和泉>

井上三奈子(いのうえみなこ)

平田オリザ主宰の劇団「青年団」で活躍中。最新出演作は、青年団第47回公演『S高原から』(作・演出/平田オリザ)。詳しくは青年団ホームページをご覧ください。

〜管理人コメント〜

和泉は交通事故で姉を失ってしまう役ではあるが、よくありがちな「極端な」感情を現わすことはない。そして、そこにこそ深田監督が求めたリアルな「不幸」の表現があったと思う。井上さんは、そんな監督のちょっと難しい要求に、感情の抑制の効いた演技で巧みに応えていた。

 

<福島>

細原好雄(ほそはらよしお)

E&A所属。鶴田法雄監督作品『案山子』、山本清史監督映画『ほんとうにあった怖い話〜怨霊 劇場版』、及川中監督映画『来訪者』他、多くの映画作品に出演。特技は沖縄方言指導。

〜管理人コメント〜

無言の存在感、この一言に尽きる。椅子ひとつを背負ってアパートを出ていくシーンから、ある想いを抱えながら長い年月を淡々と過ごしてきた老いた男の哀愁が全身から漂う。椅子と孝史を背負って川辺の道を歩いて行くシーンは、この一編の映画の中でも特に印象深い場面に仕上がっている。

 

<知枝>

森脇麻衣子(もりわきまいこ)

第3回インディーズムービーフェスティバル入選作品『タクハイ死人』、第2回長岡インディーズムービーコンペティション グランプリ作品『ウプレ』に出演。劇団Bluff Show Projectに所属し関西の演劇シーンで活躍中。

〜管理人コメント〜

知枝は我が子・孝史に深い愛情を注いでいる。しかし、その愛情は時折微妙に歪んだ形で向けられる。「母一人・子一人」の暮らしの中で孝史をかけがえない存在と感じる母親らしい面と、生活に疲れた一人の女性としての面が共存するキャラクターには、森脇さんの卓抜した演技力が絶対に不可欠だったと思う。

 

<孝史>

小林亮太(こばやしりょうた)

ジョビィキッズ・プロダクション所属。CM「ピザハット/ソーセージチーズクラフト」、TV「ティンティンTOWN/はじまりはいつもタイムスリップ」に出演。今秋放送のTVドラマ『弟』で石原裕次郎の甥っこ役に抜擢された。

〜管理人コメント〜

亮太くんの眼に力を感じた。この年齢にして、画面を通じてこれだけの存在感を観る者に与えることのできる子役は珍しいのではないかと思う。幼い孝史が、無言のままその眼で捉え、感じていった様々な出来事。それらが誰も気づかぬまま一本の流れとなり、主人公たちをそれぞれの結末へと導いていく…。

 

    「椅子」  

2004年/100分/DV/カラ−

製作・監督・脚本・撮影・編集・音楽/深田晃司

スタッフ/東野敦、伊藤寛子、笹木賢光、小林卓実、赤坂千永、ニ宮正樹、田村匡宏、栃窪泰之、早乙女将史、末武和之、千田一恵、原田健太郎、河戸浩一郎、今井俊裕

出演/井上三奈子、小林亮太、森脇麻衣子、細原好雄、福島憲一郎、伴陽介、永井正子、神林理央子、佐藤真利子、長井多美子、田所秀基、野々目良子、中本良子(声)

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